バイオロジー

小保方さん、それでも地球は動きますよね! 〜特許申請中のSTAP細胞の真相〜

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小保方晴子さん

STAP細胞は、現在でも特許申請中です!

こんにちは。
大騒ぎになったSTAP細胞、どう思いますか?
2014年1月にSTAP細胞論文がネイチャーに掲載され、同年7月には論文撤回、同年12月には論文の否定をする結論が出ています。
小保方さんの勘違いだったのか、それとも存在するのか。。

若山山梨大教授など論文の共著者に対し、譴責や厳重注意程度はありましたが、理事長を含め誰も責任を取っていない、というのも奇妙な事実です。
(小保方さんは辞職したため懲戒にならず、共著者の一人でもある上長は自殺されました)

本来、アメリカで特許申請する前や、ネイチャーに発表したり、記者会見する前に、その真偽を誰も確かめなかったのでしょうか。
日本のバイオロジーの頂点でもある理化学研究所は、世界中の笑い者なのでしょうか。

実は、世間でかなり誤解されていることもあるのです!
そこで、STAP細胞のやさしい解説と、現在申請中の特許審査の真相をお伝えします。

STAP細胞とは?

STAP細胞(Stimuius-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)は、「刺激を契機として多能性を取得した細胞」という発明です。
具体的には、

分化済(これ以上機能が変化しないこと)の細胞に対し、何らかの刺激を与えると、
その細胞がリセットされ(分化前の状態に戻る)、再び分化能力を保持する細胞

のことです。(※特許出願時には成体の細胞も含んでいます)

例えば、皮膚の一部になった細胞を酸性液に浸すなどの刺激を与えると、皮膚になる前の細胞に戻る。ということです。
もしこれが実現できると、大やけどでただれた皮膚を、再生できるかもしれません。

重要なポイントとして、この対象は哺乳類の細胞となります。
爬虫類であるとかげは、しっぽを切ったら新たに生えてきますし、植物も枝を切断し、挿し木にすると別の木として成長することが既に知られているからです。

STAP細胞は、このような哺乳類以外の特性から、哺乳類の細胞でも実現できないか、との発想で研究されています。

iPS細胞、ES細胞とSTAP細胞の違いは?

iPS細胞(Induced Pluripotent System cell)は、「人間の皮膚などの体細胞に、多能性を与える因子(遺伝子やウイルスなど)を導入・培養すると、多能性を取得する細胞に変化する」という発明です。

STAP細胞とは、元の対象が体細胞か分化済みの細胞という違いや、変化するための方法の違いはありますが、結果として、多能性細胞になるという点では同じです。
※厳密には、iPS細胞や後述のES細胞と違い、STAP細胞は胎盤になれる可能性があるらしい

ES細胞(Embryonic Stem cells)とは、動物の胚盤胞期の胚の内部より作られる多能性をもつ幹細胞です。
(ちょっとしたことですが、STAP細胞とES細胞はcells、iPS細胞はcellなんですね)

iPS細胞やSTAP細胞は人工的に多能性をもつ幹細胞を作り出しますが、ES細胞は受精卵から胎児と胎盤にわかれた後、胎児に臓器や神経などができる自然界の多能性をもつ幹細胞です。

つまり人間も、多能性をもつ幹細胞から心臓や、手、足、目などが成長して出来ていますので、これを人工的に作ることができれば、臓器などを人工的に作れるのでは、という発想になります。

再生医療

再生医療の例 出典:中外製薬

理研の最終報告にあるように、もし、小保方さんが実験の際にES細胞が混入していたなら、多能性をもつ細胞ができたのではなく、最初から混じっていただけ、ということになります。(STAP細胞は複数の細胞の塊であったと報告されています)

STAP細胞の「発想」の価値

現在、実際にSTAP細胞ができたかどうかに関わらず、STAP細胞を人工的に生み出す「アイデア」が、発明として特許化を目指している状況です。

STAP細胞に関する特許出願は、最初に米国で出願され、その後、日本で特願2015-509109「多能性細胞のデノポ生成」で出願されています。

最初の米国出願時には、出願人として理化学研究所、東京女子医科大学と、「ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド(以下、BWH)」というハーバード大付属病院の3者が連ねていました。(ちなみに、発明者は7名、小保方さんは4人目として記載されています)

BWHのホームページ

BWHのホームページ

しかし、一連の騒動を受け、女子医大は2015年3月に他の2者に権利を譲渡し、同年5月には理研もBWHに権利譲渡しました。
BWHは本出願を取り下げること無く、審査請求を実施し、現在も権利化を目指しています。
申請内容の一部を紹介しますと、

【請求項1】
細胞をストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法。

【請求項5】
細胞が体細胞、幹細胞、前駆細胞または胚細胞である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。

【請求項13】
ストレスが以下から選択される少なくとも1つの環境刺激への細胞の曝露を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法:外傷、機械的刺激、化学的曝露、超音波刺激、酸素欠乏、照射、極度な温度への曝露、解離、トリチュレーション、物理的ストレス、高浸透圧、低浸透圧、膜損傷、毒素、極度のイオン濃度、活性酸素、UV曝露、強可視光、必須栄養の欠乏、または非生理的酸性環境。

【請求項14】
ストレスが約3.0〜約6.8のpHに細胞を曝露することを含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。

【請求項29】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項1〜28のいずれか1項記載の方法。

【請求項30】
細胞がヒト細胞である、請求項1〜29のいずれか1項記載の方法。

【請求項70】
細胞治療を必要とする対象における自己細胞治療の方法であって、
a.請求項1〜45のいずれか1項に従って細胞から多能性細胞を生成する工程であって、細胞が対象から得られる、工程、および
b.多能性細胞またはその分化した子孫を含む組成物を対象に投与する工程、
を含む、方法。

本出願は、米国仮出願第61/637,631号(2012年4月24日出願)および同第61/779,533号(2013年3月13日出願)(その内容の全体を参照により本明細書に組み入れる)の米国特許法第119条(e)の下の利益を請求する。

特許のポイント

請求項5の細胞がiPSと同じ「体細胞」を含む点、
請求項29の「細胞が哺乳動物細胞」である点、
請求項30のヒト細胞である点(ヒト細胞で成功したとは発表もされていない)、
請求項70の細胞治療(患者)に投与するという点です。

つまり、この特許は、人間に特定の機能をもった細胞を投与して、治療をすることを目的としています。

また、請求項14(~16)の細胞を酸性液につける、という点が、小保方さんが発見した方法と思われます。

そして請求項13にある、広範囲な何らかの方法から、多能性細胞を生成するという内容が特許になる可能性があります。
このような場合、特許庁の審査の段階で、「実施可能要件」を満たすか否かが判断の基準となります。

実施可能要件を満たすには、「明細書等に記載された事項」と「出願時の技術常識」に基づき、当業者が「請求項に係る発明を実施することができる程度」に、発明の詳細な説明をしなければならない。
そして、物の発明において、実施可能要件を満たすためには、その物を作りかつ使用できるように明細書等を記載する必要がある。
明細書の記載要件に関する考察より一部引用)

簡単に言えば、実施できる発明かどうかを証明する責任が出願人にありますが、それを専門家ではない審査官が提出された書類等で判断しなければならない、ということになります。
理研が論文撤回した事実は、特許審査には直接影響を及ぼしません。
今後の特許審査の行方が注目されます。

ちなみに、iPS細胞の特許は、特願2007-550210「核初期化因子」が成立しています。

小保方さんらは、爬虫類や植物をヒントに、哺乳類でも同じようにできないかと発想し、それを再生医療に適用できる可能性を発見しました。
この「アイデアの発明」だけで、もし特許が取得されると今後20年間は有効となります。

つまり、近い将来STAP細胞を作れる可能性は残っていますので、この発明は非常に価値があることなのです。
理研がその権利を放棄したのは、非常に勿体無いことをしたということになります。

もし、トカゲのシッポのように、身体の一部を再生できるとすれば、いまの医療を否定するほどの大きな可能性があるのです。

早稲田大学博士号の剥奪など、いろいろ報道されていますが、笹井氏とともに、世間の好奇の中で若い芽が摘まれてしまったのは、残念と思います。

おそらく、中韓は、彼女にオファーしていることでしょう。
彼らはすでにテクノロジー(特にエレクトロニクス分野)では日本を上回っていますが、バイオロジーはまだ日本の方が進んでいるからです。
数年後、小保方さんが中国の大学で発表する日が来るかもしれません。

小保方さん、それでも地球は動きますよね!(それとも・・・)

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